溺愛キング
「まぁまぁ、藍飛の発言は今始まったことじゃないの。だから、慣れるしかないのよね〜てか、いつも言ってるじゃない!あんた達、聞いたことなかった?」


涙目になりながら、笑いをこらえる海亜に


「俺らは幹部室に入れないんで、あんま会話は聞かないんすよ」

「そうか、お前らはいつも藍飛のアホ発言を聞く機会がないんだな」

『おい、何がアホ発言だよ。翼も言ってるじゃねぇか』


すかさず翼の発言に食いつく俺。


「そーいう風に、いちいち突っかかるとこがお子ちゃまだな」

『うるせぇ。ムカついたんだから、仕方ないだろ』

「もぉーやだやだ、矢耶の前だと優男ぶってさぁ、ほんとは腹黒いし!矢耶と付き合えたのは奇跡に近いわね〜むしろ幼なじみじゃなかったら、付き合ってなかったかもよ?」

『…………』


海亜はまるで汚いものを見る様な目で俺を見てき、決定打をうたれた俺は少し、いや、かなり心にダメージをくらった。

ふんっと顔を背けた海亜は勝ち誇ったかの様な、顔をしていた。

この時、俺の敗北は確定だった。

あぁ、矢耶に会いたい。
切実に会いたいです。

がっくりと肩を落とした俺に連絡係の二人が


「俺!藍飛さんに惚れました!」

「自分も、っす!」


『はっ?…………』


なんなんだ。

俺に惚れた?!

なぜ………?

やっぱり俺はそんなにいい男だったのか?


「いや、それはないだろ」

『?!、、、翼っ!いちいち心の中読むなよ!』

「相変わらず藍飛の頭の中は、フィーバーしまくってんな。んなこと、あるわけないだろ。よく考えろよ」


なんだ、なんだ、なんだ?!

今日はやけに、みんな俺に対してひどいな!
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