溺愛キング
面子達は困っていた。

ある店の前で立ち止まってしまった。


あの後、二人はショッピングモールに入り、あれよあれよと店を渡り歩いた。

お揃いの部屋着を買い、お揃いのアクセサリーを買い満足感たっぷりの二人。

そこで、海亜がある行動に…


「矢耶!ここ入ろう!」

『え?』


そこはランジェリーショップだった。

海亜は、面子達がストーカーのごとくついて来ているのを知っていた。

そこでこの店をチョイスした。


『海亜、また大きくなったのぉ?』

「ふふ、そんなとこね」

『いいなぁー、矢耶にも分けて』

「矢耶もあるわよ!アンダーが細いから余計ある様に見えるし、羨ましいことね」

『そんなことない。だって藍がいつも…』

「あいつは何を言ってんだか!気にしなくていいのよ」

『そうかな〜』


矢耶は気付いてなかった、面子達が居ることを。

そんなことも知らず、店に入った。


そんな二人を面子達はただ見つめた。

藍飛から
「どこまでも追いかけろ、見失ったら…」
とか何とか、脅されていた。

それを思い出しても、体は動かない。

誰一人、店に入ろうとする勇者は居なかった。


「ここは藍飛さんに電話するしかないよな?!」


一人がそう言うと、すかさず電話をかけた。


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