溺愛キング
「来たわね」


いきなり海亜が入口を見ながら言った。


『何が?』

「あの二人よ」

『え?…………あ』


藍と翼がランジェリーショップにいる。

なんで?

普通に入って来てるよ。

恥ずかしくないの?


「海亜ー!矢耶ー!」


翼は笑顔でやってくる。


『海亜、なんか、やって来るよ』

「何かじゃなくてアホ二人組でしょ?」

『またそんなこと言ってる』

「はぁ、わざわざこの店を選んだのに」


海亜は分かってた?

二人が来ることを。


「二人共こんな店に入ったら困るんだけどっ」


翼は言葉と反して、ニコニコしている。


『なんで二人共いるの?』

「それはね、矢耶が可愛いー…」

「違うでしょ?ストーカーさせてたからでしょ?悪趣味ね」


海亜は翼の言葉を遮った。
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