溺愛キング
翼はと言うと…

カウンターに座り、料理を作っている海亜と喋ってた。

ニコニコしながら海亜を見つめてる。

翼って高校生には見えない。

大学生みたいだよね。

海亜も最近は髪を伸ばしているみたいで、ちょっと大人っぽい。

お似合いだよねー。

二人を眺めていたら


「矢耶」


藍に呼ばれた。

藍を見上げる。

藍はテレビを見ながら、矢耶の頭を撫でている。

え?

無意識に呼んだ?

ちょっと嬉しい。

藍の首に腕を回し、抱きついた。


「なに、もう我慢できねぇってことか?」

『もうっ、違うよ』

「じゃぁ、なんだよ。俺を煽ってんのか?」

『それも違うよぉ』

「…………」


藍と目が合う。

どっちも喋らない。

藍の顔が近付いてきて、ちゅっとキスをされた。


『えへへへ』

「ほんと可愛いな」

『………、恥ずかしいから、もう言わないで』

「ったく、可愛いすぎんだよ」

『藍、すき』

「分かったから、煽んな」


だって、キスしてなんて、言えないもん。

けど、藍に伝わったみたい。
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