溺愛キング
そっと下ろされて、藍の首に腕を回した。

ぎゅっと引き寄せて、キスしてみた。


『矢耶のこと離さないでね』

「矢耶こそ、他の奴ばっか見てると監禁するからな」

『こ、怖いよぉ』

「半分嘘だ」


舌を出した藍はちょっと可愛い。


「半分は本気。今まで以上に一緒に居てやる」

『う、うん!』

「とにかく、もう離れていくな」

『はぁーい』


お互い、ニコニコ。

台風が去った後みたい。


「なぁ、着ろよ」

『また言ってる…』

「矢耶が着てるとこ、早く見たい」

『か、帰ったらいくらでも…』

「今がいい」

『え〜』


藍はどうしても、今日買った下着が見たいらしい。


「我慢したんだから、褒美がほしい」

『うぅっ』

「さっきまで、甘えてきてたくせに」

『っ!』


それを言われたらぁぁああ!


『わ、わ、わ、わ、分かった!』

「動揺してんのか?可愛いな」


頭を撫でられた。



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