溺愛キング
「あいつら、どこで盛り上がってんだか。まったく…」


藍に耳を塞がれた。


「矢耶、顔真っ赤。可愛い」


目をパチパチっと瞬きした。

ちょっと頭がついていかない。

へっ?

なに?

どういう状況?

あの二人はリビングで何を?

あれ?

そもそも何で下に?

あれ?あれ?

わけわかんない!


「矢耶…」


藍が顔を覗き込んできた。


「あいつらはいいから。ほっとけよ。な?」

『う、うん』

「あー、あいつらマジ空気読めよなぁー」

『?』

「矢耶はこっちに集中」


藍の手がまた動き出した。

けど、二人のことが気になって、されるがまま。

いつの間にか下着を身に付けていた。

しかも下着だけ。

部屋着はどっかにいってた。


『あれ?いつの間にか着替え終わってる』

「だって、矢耶、上の空だったからな」

『だってぇー』

「気にするな。矢耶は俺にだけ感じてろ」

『でもぉー…って、そんなに見ちゃイヤ!』


藍は矢耶をジッと見てる。


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