溺愛キング
「矢耶、腰どうかした?」

『え?なんで?』


海亜がコップを運びながら聞いてきた。


「藍飛が撫でてるからよ。朝から何やってんだか」


そう、藍の手がさっきから、ずーっと腰あたりを行ったり来たりしてる。

そこまで気にするなら、止めたら良かったのにぃ!

藍は体力とかあるからいいけど、矢耶死んじゃうよ。


「お前らこそ、昨日ここで何してたんだよ」


うわっ!

藍聞いちゃった。


「え?何って…」


海亜さん、目が動いてますけど!


「愛を確かめ合ってた。ただそれだけ。お前こそ俺らの声聞いて、盛り上がったんだろ?」


つばさー!

君は何てことを言うの!


「おかげさまで楽しかったよな?なぁ、矢耶」

『もうっ!朝からやめて!二人共怒るよ?!』


クッションを叩き、藍の手をはらった。


「昨日から翼は、矢耶をからかいすぎよ?」

「海亜をいじめるのとは、また違うからなぁ〜」

『翼!!』

「ごめんごめん」



こうして、賑やかに朝は終わっていった。



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