溺愛キング
episodeⅢ

テスト


藍飛side―――――*―――――


あの家出事件と、禁止令の一件からしばらくたった。

何事もなく、ただ穏やかな毎日が過ぎていった。

しかし、もうすぐで期末テストが始まる頃だ。

もとから賢い翼と俺と海亜で、矢耶の勉強を見ている。


「ふぅ、今日も疲れた〜」


矢耶はそう言うなり、俺に抱きついてきた。

テスト前だから、学校で残って勉強してる。

もちろん目の前には、翼と海亜も居る。

勉強を初めてかれこれ二時間がたっていた。

もう夕方の六時で外は真っ暗だ。


「今日はここまでにしよっか」

「はぁーい!翼せんせー」

「今日も矢耶、頑張ったね。えらいえらい」


何故か翼が先生で、矢耶が生徒という設定らしい。

いや、その前に俺らみんな偉いだろう。

いちを族に入ってんだぜ?

けど、勉強するって新種だよな?

まぁ、eagleのシキタリってやつなんだけどな。

族に入ってるからって楽なもんでもない。

日々、頭を使わなきゃこんなとこまで上がってこれない。

だから、eagleの面子はいちを勉強する。
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