溺愛キング

『もしもし。あぁ、俺だ。』


eagleの面子からの電話だった。

無意識のうちに声が低くなる。

ったく、矢耶と居る時にかかってくるとか…

何があったんだよ。


矢耶が俺から離れ様とした。


とっさに腰に手を回し逃げれないようにする。


「ぁぉー」


小さい声で名前を呼んできた。


『動くなって。もう少し待て。』


“もしかして、今、矢耶ちゃんと一緒なんすか?”


電話の向こうに俺の声がもれてたのか、面子が聞いてきた。


『あぁ。一緒だ。で、なんのようだ。』

“それが―――――……”

話を聞いてたら

「藍まだー?」


矢耶は俺の身体に腕をまわしぎゅっと抱きしめてから見上げてきた。


やめてくれ。

理性吹っ飛びそう。

我慢我慢と自分に言い聞かせる。


『もう終わるから。』


携帯を持ってない方の手で矢耶を抱きしめ返した。


「ぁぉー」


小さい声で何度も呼んでくる。

可愛い―――…



『分かった。気をつけろ。とりあえずみんなに連絡いれとけ。』


“了解しました!矢耶ちゃんと一緒の時にすいません。矢耶ちゃんによろしくっす!!”


『あぁ。』

ピッ―――――


相変わらず矢耶は面子からも気に入られてるな。


「もう終わった―?」
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