執事様、優しく教えて!

「いいでしょう。

では、ひよりのお望み通りに…」



隣に座っている梗弥は


温かい大きな手で、そっと私の頬を包んだ。



「私の目を見て下さい。ひより」



「??はい…」



真剣な目をしている梗弥を前に
何故か敬語になってしまった。



「これが、あなたに最初にお教えする

恋の始め方です‥」



梗弥の顔がだんだんと迫ってくる



梗弥…?



梗弥の唇が、ゆっくり近づいて


ソット私の唇に触れた。



な。。に…?



これって…Kissっ?



梗弥の唇が離れるまで
すごく長い時間に感じた。



何だろう心臓がドクン、ドクン言ってる…


何となく、梗弥の顔を見るのが恥ずかしいな


私、緊張しちゃってるの?



「ひより、キスをする時には

目を閉じるものですよ?」



『そ、そうなんだ』



「ほらっ、目を閉じて下さい、ひより…」



梗弥の言う通りに、私はゆっくりと目を閉じた。



私の唇にまた梗弥の唇を感じた…



目をつむっているせいか
感覚がさっきよりも冴えてる気がする。



梗弥の唇すごく温かい…



これが…Kiss――――



心臓がバクバク言ってるよ…


どうしちゃったの、私…???


助けて、梗弥…



私は梗弥の腕の裾を


きゅっと掴んだ。
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