執事様、優しく教えて!
私自身で育てていく気持ちって
どんな気持ち?
「ね梗弥、恋はもう、始まってるの?」
ドキドキは何となく感じることができたけど
恋ってたぶん、目に見えるものじゃないから
実感がないなぁ…
「どうでしょうね。
恋はいきなり形になってくれるものではありません。
気づいた時には恋だった
そんな事も多いのですよ」
「ふぅんーでも、ドキドキって、何かいいね!
もっとたぁっくさんドキドキしてみたい!」
「では、もう一度、キスをしましょうか?」
梗弥の顔が、近いっ…!
「い、いいっ!だって、恥ずかしいも」
「それは残念ですね
それではまた明日にしましょう。
それでは、またお夕食のお時間に
お迎えに参ります」
「うんありがとう…」
梗弥は私の部屋を
いつもと変わらない素振りで出て行った。
梗弥が、恋を教えてくれる
梗弥が、私を大人の女性にしてくれる
私は、これから
梗弥のそばで少しずつ
恋を覚えていくんだね…
胸のあたりがなんとなく
温かくなる感じを
初めて知った。