気まぐれ短編集
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翌日、放課後。
……重い。苦しい。
何でこんなに重い荷物がある授業が一日に集中してんのよ….。
基本的に、主要教科の置き勉は禁止。
教材が詰まったメインバックと、手提げをしょい直した。
信号でバスが止まって、すし詰め状態になっている車内は、吊り革を握る人ともども慣性の法則に従って揺れた。
ミシシッと吊り革が悲鳴をあげる。
ついでに肩にも負担が増す。
「うっ…」
思わず呻き声が出た。
「どうぞ。俺降りるから」
フッと目の前に黒い影が立ちはだかる。
見上げると、健康そうに程良く日焼けした男子がいた。
ニカッと笑った歯がまぶしい。