気まぐれ短編集
「いつ…引っ越すの?」
とりあえず、ツヤツヤの白米が盛られた父親のお椀を父親の前に置いた。
「10月だな。大阪の高校は前期後期制のところの編入試験を受ければ…」
「あら、陽菜。あんまり乗り気じゃないのね。ーーあっ!もしかして彼氏!?」
「違うよ」
「あっ、陽菜どこ行くんだ」
あたしはパーカーのポケットにごっそり携帯を突っ込んでドアの前に立った。
「ちょっと考え事。」
少し笑って言うと、あたしはリビングを出た。