気まぐれ短編集
バタン、と自室のドアを閉めるとベッドに仰向けにダイブした。
「引っ越しって………」
気の抜ける声が萎んで消えた。
確かに、あたしは古臭いこの町が小さいころから嫌だった。
いとこ家族が東京に住んでるだけあって、そこでの暮らしぶりはあたしにとって憧れでしかなかった。
正月とか盆に田舎に帰ってくる彼らの話によく飛び付いたものだった。
なのに、今。
あたしは、あんまり乗り気じゃない。
どうして?
ヴーン、ヴーン。
ポケットが震えた。
《メール一件受信》
差出人:山下 洋輔
sub:無題
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今日、話したね(^ ^)
End
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