気まぐれ短編集




この『山下 洋輔』があのふたりのどちらであったとしても、恋愛的進展の可能性は低い。


枕に顔をぼすっと埋める。

砂利枕だからちょっと痛かった。



ヴーン、ヴーン。



頭だけ横に向けて携帯の画面を見る。




《メール一件受信》


差出人:山下 洋輔
sub:無題
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あはは(^^)
やめてよそんな改まって。
タメなんだし、軽くいこうよ。


あ、良ければ番号教えてもらって
いい?


END
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山下 洋輔が、『あの三年生じゃなかったらちょっと残念かも』、という予想に反してあたしの頬は緩んで火照ったのが分かった。



ちゃかちゃかッと返信メールに番号を載っけて、受信してから一分もしないうちに送信ボタンを押していた。


《iモード通信中…》



あれ、でもあたし、引越しするじゃん…。


送ったあとで、さっき考えたことに再びたどり着いて何だか暗い気分になる。



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