気まぐれ短編集
ーーーーー
ーー
「ほらー急げー、あと1分37秒。」
昼休み終わりの予鈴が鳴ってから慌てて移動し始めるあたしたち生徒を、先生たちが急かす。
あたしの文系クラスである1組は英語は理系クラスと合同で、成績で上下に分かれている。
前を見ずに教室を飛び出すと、誰かにぶつかって辞書が廊下に放りだされた。
その犯人が足早に廊下を去って行くのがチラと見えた。
あぁもう!こんな急いでるときに!!
あたしは顔をしかめてしゃがもうとしたら、ひょいと辞書が誰かに拾われた。
ぱっと顔を上げると、昨日のバスで席を譲ってくれた男子が辞書を差し出していた。
「はい、渡辺さん。」
ニコッと笑ったときに白い歯が見えた。
「あ、ありがとう。」
話さなきゃと思ったけど、時間が無いことを思い出して「ごめん、後で!」と彼に言い捨て廊下を走った。
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「ほらー急げー、あと1分37秒。」
昼休み終わりの予鈴が鳴ってから慌てて移動し始めるあたしたち生徒を、先生たちが急かす。
あたしの文系クラスである1組は英語は理系クラスと合同で、成績で上下に分かれている。
前を見ずに教室を飛び出すと、誰かにぶつかって辞書が廊下に放りだされた。
その犯人が足早に廊下を去って行くのがチラと見えた。
あぁもう!こんな急いでるときに!!
あたしは顔をしかめてしゃがもうとしたら、ひょいと辞書が誰かに拾われた。
ぱっと顔を上げると、昨日のバスで席を譲ってくれた男子が辞書を差し出していた。
「はい、渡辺さん。」
ニコッと笑ったときに白い歯が見えた。
「あ、ありがとう。」
話さなきゃと思ったけど、時間が無いことを思い出して「ごめん、後で!」と彼に言い捨て廊下を走った。