気まぐれ短編集
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「確認だけど、今年のクリスマスパーティーは23日ね。」



あたしが楽譜をかばんにしまっているときに、先生が言った。


先生はまるイスに座ってカレンダーを見上げていた。

23日は明後日だ。


「先生、メンバーは?」


あたしは少し不安な気持ちで訊いた。


今年も、彼は来るだろうか。


先生は手帳をパラパラめくって、「あー」とぼやいた。

「例年どおりね。今年入ったミナちゃんとサヤカちゃんがプラスされるだけよ。」



良かった…。

あたしは内心、胸を撫で下ろした。



「まったく…。翼(つばさ)くんったら受験生のくせに『塾をすっぽかして来る』って言ってたのよー。今年くらい我慢すればいいのにねぇ…。」

言いつつも、先生だって嬉しそうだ。


先生の『翼くん』という言葉に、勝手にどきりとする。


先生に背を向けて、顔がにやけるのをバレないようにする。




やった。今年も来るんだ。






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