気まぐれ短編集
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22日、放課後。



放課後、というのはウィンターセミナーとか言う忌々しいものが午前にあったからだ。

天皇誕生日と土日を除いた平日の28日まであるというんだからたまらない。



ちなみに、24、25日は平日。

まったく、イヴの日くらい先生たちだって予定があるはずなんだから授業しなくてもいいのに。


「ただいまー。」


と言ったところで、空の家から返事が返ってくるわけもなく。


靴を脱いでそのままピアノを置いてある部屋に行く。



ピアノのかばんから昨日の楽譜と基礎練の楽譜を出した。

アップライトピアノの鍵盤のフタを開けて布を取り外すと、美しい白と黒が現れた。



鍵盤をつうっとなぞる。


譜面台に反射した自分の顔が映っているのが見える。



ぼんやりそれを眺めて、じわじわと浮かんでくるのは翼くんのこと。






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