気まぐれ短編集
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「おじゃましまーす。」


いつもは車庫側の教室のドアから入るんだけど、今日はリビングでパーティーをするから玄関から入る。



ローカットブーツを脱いで、揃えて並べる。


廊下の先のリビングのドアを開けると、まずにぎやかな飾り付けが目に入った。

天井に着きそうなくらい大きなクリスマスツリー、折り紙を短冊型に切って輪っかにしたのを鎖状に繋げたもの。出窓にはサンタとトナカイの可愛らしい小物



テーブルには大きく盛られたフライドチキン、ポテトサラダ、グラスが出されていた。



「いらっしゃーい。来てすぐのところ悪いんだけど、これをそっちに持ってってくれる?」


先生がキッチンから覗いて言う。


「はーい。」



あたしはかばんを置くためにリビングに入ると、カーペットの上にのびている物体に気付いて飛び上がった。




「ちょっ、翼くん!!そんなところでのびてたらびっくりするじゃん!」

「うーん…あ、久しぶり」


翼くんはむくりと起き上がると、眠そうに大きな欠伸をした。



あー、受験生だもんねぇ。疲れてるよね。







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