気まぐれ短編集


《おなじ電荷》



廊下ですれ違うとき


こそばゆいのと、周囲の目を気にして


あたしはすぐに目を逸らす。



プラス極とプラス極、マイナス極とマイナス極みたいに。



必ず伴う、小さな罪悪感。




“すぐ目逸らす…”



あんたがちょっと悲しそうに言うけ




これからはがんばってあんただけを見る。





がんばるよ。









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