気まぐれ短編集
めんどくさい…。
返信ボタンを押して、本文作成。
《渡辺 陽菜って言います。
知ってますかね?(^^;;
一斉送信されたメールに
返信しちゃったんで私もあなたが
誰か判りません。》
めんどくさいことはさっさと済ませるのがいい。
送信ボタンを押して携帯を閉じた。
窓の外に、夕焼けに染まる古い小学校の校舎が映っている。
誰も小学校前のバス停では降りなかったらしい。
『次はー、◯◯町一丁目ー。お降りの方はー、お知らせください』
私は少し腰を浮かせて、降車ボタンを押した。
ヴーン、ヴーン。
また、メールを受信。
受信ボックスを開くと、今度はさっきの人から随分と友好的なメールが届いていた。