最後の恋ψ天使の魔法はクリスマスに降る雪と共に
自分の両手で、慌てて顔を覆った。


ドキドキとかそんなんじゃなく……


涙が溢れて止まらなくなってしまったんだ。


「……っ。うぅっ……」


知らない男とキスしたこと。


カイトとは似ていないけど、突然キスの瞬間を思い出してしまった。


しかもあんな……、無理やり。


怖かった。もし、カイトが来てくれなかったら、私……どうなってたんだろう。


「……美衣?」


カイトの声が聞こえるけど、答えることもできず、ただ手で顔を押さえるだけ。


そのうち、泣いていることでうまく呼吸ができなくなり、肩で息をしていた。





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