最後の恋ψ天使の魔法はクリスマスに降る雪と共に
「泣くなって。美衣は、生きてる。ちゃんと、目ぇ見せて……」


「ちがっ……、そうじゃ……。ひっく…」


違うの、そうじゃなくて……、さっきの男に。


って言いたいのに、呼吸が乱れてうまく話せない。


「ほら、真っすぐこっち向いて。……オレが、美衣に魔法をかけてやる。

絶対に、明日目覚める魔法」


なにそれ……。


カイトの口からまた“魔法”って言葉が出てことに、思わず笑みがこぼれてしまった。


だって、そーいうキャラじゃないのに。


顔にのせていた両手をつかまれ、そっとはがされる。


目の前に、優しい表情のカイトがいて……


胸がギュッとしめつけられた。


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