最後の恋ψ天使の魔法はクリスマスに降る雪と共に
「ん、大丈夫。綺麗な目ぇしてる。美衣の身体は、今も美衣の帰りを待ってる。

明日、まず一番にしたいことは?」


カイトが私の頬についた涙をぬぐってくれる。


「元の身体に戻ったら……」


一番にしたいことって、なんだろう。


「なんでもいーから言ってみ?」


子供にするみたいに、カイトが私の頭をそっとなでる。


けど嫌じゃない。大きな手に守られてる感じがして……不思議と安心できる。


「……普通の生活がしたい。目覚めたらこんな状態なんじゃなくて、今まで通りに、生きたいよ」


家族に会いたい、学校の友達に会いたい。


もう戻れないのかもしれないって思うと……何気なく過ごしていた毎日が、今となってはすごく貴重な物に思えてくる。





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