最後の恋ψ天使の魔法はクリスマスに降る雪と共に
冗談言うのに、どうしてそんな真面目な顔…?


「さっきから……なんか、視界がボヤける。

天使がオレを迎えに来る時間が、もうそこまで来てるのかもしれねぇな」


「…嘘?」


カイトの顔を覗き込む。


カイトは目を閉じてしまい、私に瞳を見せてくれなかった。


「わかる…。前にもこんなことがあったんだ。

あのときは……」


そう言って、カイトは空を見上げる。


「前って…、幽体離脱したとき?」


「そ…。オレの前に、天使が現れた」


う…うそ。


本当に、いるの!?


カイトの顔は、真剣そのもので…


嘘をついているような顔じゃなかったんだ。


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