SiMPLe な 気持ち
お母様からよ、あはっwww
遅刻。
昇降口を歩いていたら後ろから声を掛けられた。
「同じクラスに下柳哲也っているでしょ?そいつにお母様からよ、あはっwwwって渡しておいて」
半分押しつけられた、青い爽やかなノート。
表紙に「化学」って書いてある。
「下柳くん、バケガク採ってるんですね。」
下柳くんのお母さんにそういうと、
「別れた父親その1の血なのよね…憎たらしい。」
と、どこの誰が見たってイライラして見える口調で返してきた。
「あ、私、出勤しなきゃ。じゃあよろしくね!」
腕時計を見て、下柳くんのお母さんは微笑んだ。
「え、お仕事されてるんですか?」
「こう見えて北原総合病院の院長だから☆」
ウィンクしてから、ひらりと手を振った下柳くんのお母さんは、颯爽と校舎に背を向けた。