SiMPLe な 気持ち
触れた。
教室に向かうと笑い声がした。
きっとまた先生と下柳くんの爆笑の応酬が繰り広げられてたんだろうな…
興味ない、とか言いつつみんな見て笑ってる。
後ろの扉からそーっと入って、一番後ろの廊下側の席に鞄を置いて、教卓側の列の一番後ろの席に向かう。
「下柳くん、これ。お母さんが。」
営業スマイル。
すると下柳くんは、
「え!?あ、ああ、ありが、と、う」
と挙動不審に言って、ノートを受け取った。
「お母さん、すごく楽しい人だね」
「あ、はははは…」
失笑した下柳くんに、別れを告げて、自分の席に戻った。