【COLORS②】1/2あっぷる!
……
嫌だな、この沈黙。
二人ともそれから一言も発することなく校門を出た。
ここまで沈黙が続くと正直、最初の一言というのが切り出しにくくなる。
やっぱりタイミングって肝心だ。
「あの、さ……いろいろ聞きたいことあるんだけど」
背中で夕日が西の地平線に落ちていくのを感じながら、
私は思い切って聞いてみることにした。
「聞きたいこと?」
「そう……なんで私には魔力が使えないのかとか、父さんが生きてるって言ってたあの話の真相、私が『男』になる秘密……知ってることあったら全部教えてほしいの」
「昨夜は会ったばっかだったし、一度に言っても僕のことなんて信じてくれないと思ったから、言えなかった」
「……紅皇、お願い」
私自身の秘密、父さんのこと……
母さんにも聞いたことはない。
「本当のこと教えて!」
もし真実を知ってしまったら、
自分が自分で居られなくなるのではないかと思って、
それが怖くて聞けなかった。
でも、今なら──
今なら、
昔より少しは真実を受け止められる覚悟はできているから……