お庭の晋作
晋作は頭を掻きながら、男に聞いた


晋作「なぜ助けた?殺そうとしていた男を」


男「…………」


男は何も答えない


晋作「無視かよ…今度狙われても助けてやんねーからな」


晋作は思いっきり石を蹴飛ばした


見事に井戸のなかに入った


晋作「お、さすが俺」


男「それでも…それでも…死体はもう見たくないんです」


男はいきなり口を開いた。


そして、また口を閉ざした


晋作はなにがなんだか分からなかったが、この男は人を斬ることを嫌ってることだけはわかった


晋作「まぁ、悪かったな」


そう言うと、晋作は、近くの家のドアを開け、中に入った。天井は蜘蛛の巣とほこりでいっぱいだった


晋作「これはひでーな、まずは掃除しなきゃな」


そう言って、掃除を始めた


その時、男が身をかがめながら中にはいってきた


晋作「なんのよう?」


男はすこし照れながら


男「京都に何しにきたかは知らないけど、今日はもう遅いし、お礼をしたいので家に一晩泊まっていきませんか?空き家に泊まるよりかはいいですよ」


と言った



晋作「残念ながら一晩とはいかないんだよねー。京都には探し物を見つけにきたんだし、何日かかるやら」


男は首を振りながら


男「一晩だけじゃなく、二晩、三晩いくらでも泊まっていってください。命の恩人ですから、なにかお礼をしたいのです」


と言った


晋作は掃除をやめて、土下座をし、一呼吸して


晋作「かたじけない」


と一言言った
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