Lie

放課後あたしはいつも通りに
弓道場に向かった。



「じゃあ始めるんで並んでください」

いつもの部長。

いつもの部員。

すごく居心地のいい場所。




―カンッ!

「あー枠あたった。
あたったかなアレ…」


森先輩の矢だ。
的の端に矢が走ったから的中したか解らない。


「どうおもう安原くん」

森先輩が口を開いた。

「あたったんちゃう?微妙やけど…」

「やんなあ」

すると安原先輩は黙って走り出した。


道場を出て、あたしの前を通りすぎた。


「…っよし!!」




その時あたしは嫌気がさした。

「…はよくっつけばいいのにね!」

あたしは友達に八つ当たり。




あたしもはやく上手くなって
森先輩より上手くなってやりたい

そう思った。


だから、



かたくはない、儚い決心ではあったが

諦めない と決めた。

< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop