Lie
放課後あたしはいつも通りに
弓道場に向かった。
「じゃあ始めるんで並んでください」
いつもの部長。
いつもの部員。
すごく居心地のいい場所。
―カンッ!
「あー枠あたった。
あたったかなアレ…」
森先輩の矢だ。
的の端に矢が走ったから的中したか解らない。
「どうおもう安原くん」
森先輩が口を開いた。
「あたったんちゃう?微妙やけど…」
「やんなあ」
すると安原先輩は黙って走り出した。
道場を出て、あたしの前を通りすぎた。
「…っよし!!」
その時あたしは嫌気がさした。
「…はよくっつけばいいのにね!」
あたしは友達に八つ当たり。
あたしもはやく上手くなって
森先輩より上手くなってやりたい
そう思った。
だから、
かたくはない、儚い決心ではあったが
諦めない と決めた。