白神
白い死神
1
吹き抜ける風
目に映るのは、青い空
目下は、深い川。
向こうには海も見える。
ブルーに塗られた柵に足をかけた。
季節は冬。
時間は朝方の4時。
わざわざ車も誰も居ない時間帯、この橋に来た。
夜明けと共に川に落ちよう。
重いダッフルコートが、ヒラヒラと舞っている。
わざわざダサい紺の制服を着てきたのは、私の死体の身元をわかりやすくするため。
さっさと、葬式上げて、さっさと忘れてくれればいい。
それに、制服のほうが水に濡れて重くなる。
もう、おわかりよね。
私、今死のうとしてるの。