白神




光に反射する白髪。



陶器のような白い肌。



女性的で鼻筋の通った顔。



まるで、天使のようだ………。



体を半分乗り出した形で。



彼は、私の手をしっかりと掴んでいた。



「離さないで、今引っ張り上げるからっ」



暫く見とれていた私は、彼の言葉にハッとした。



「ちょっと、離してよ。私、今から死ぬんだから。」



自殺を止めに来たってわけ。



とんだ邪魔が入った。



腕が伸びてキリキリ痛む。



風に煽られてぶら下がっている私は、かなりキツイ状態。



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