そら色
ポカポカの太陽が、体の温度を、ゆっくりと上げていく。
坂道が多いこの街…。
でも、そこが好き。
私が一番好きな時間。
胸まで伸びた髪が、風にあおられながら…。
10分ぐらい進むと、都会を外れて、緑が見えてくる。
ポツポツとしか家がないけれど、風陰気が好き。
「おばちゃーん!!!来たよぉ~♪」
緑の中に、ポツンと建っている駄菓子屋さん。
「あらっ!!!!ハナちゃん??!」
「そうですよぉ★今日も元気です♪」
「ま~、誰かと思ったよ♪女の子になっちゃって~」
おばちゃんは、ニッコリと笑った。