地味子の初恋
悪夢の始まり
あたしには、思い出したくないことがある。
それは昔のこと。
あたしは、メガネにおさげ姿ではっきり言って地味だ。
それに加え、自分の思ったことも言えなくて俯いてばかりだった。
そんなあたしは、相手をイラつかせることも少なくはなくて何を言われても泣くことしかできなかった。
そんなあたしについたあだ名は地味子。
一人の男の子が発端だった。
他の子がそう呼ぶことはなかったけど、あたしが地味子と言うのはみんなの間で浸透していって
あたしが目立つのを避けようとするのに、拍車がかかっていった。
ずっと、人の目につかないようにひっそりと生きてきた。
オシャレだって、恋愛だって、友達とのおしゃべりだって無縁だった。
苦しくて、どうしようもなくて、逃げるように高校は隣町の高校を受験した。
電車での通学も、一年たって慣れてきた。
そんな時だった。
あたしの前に彼が現れたのは。
どうして…。
地味で引っ込み思案なのは変わりないけど、地味なりに平凡に暮らせると思ってたのに。
高校二年生の始業式。
あたしの生活が崩れてくかのような気がした。
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