地味子の初恋
いつもは、楽しみなお昼休みは憂鬱だった。
正確には、今日からかもしれない。
チャイムがなり、二つのお弁当が入った鞄を持つ。
「栞、大丈夫なの?あたしから、言おうか?」
心配そうに見つめる葉南。
「大丈夫だよ」
そう言って、教室を出た。
瑠稀は、既に教室にはいなかった。
というか、4限目から…。
待ちくたびれて、怒られたら困るから小走りで屋上へと向かった。
「遅い」
案の定、睨まれた。
「ご、ごめん…」
「早く、飯寄こせ」
寝そべってた瑠稀は、起き上がってぶっきらぼうに言い放つ。
鞄からお弁当を取り出し、差し出す。
「美味しくないよ…?」
「別に期待してない」
その言葉に口を噤んだ。
瑠稀は、そんなあたしなんてお構いなしでお弁当を食べ始めた。
お弁当の中身を見た途端、瑠稀は眉を寄せた。
「…おい、なんだよコレは」
忌々しいものを見るかのような顔だ。
「え、お弁当だけど」
「んなの、分かってんだよ!この緑のはなんだ!」
瑠稀が声を荒げた。
「えっ…!ぴ、ピーマンの肉詰め…」
瑠稀の声に驚き、たどたどしい声を出した。
すると、髪の毛が引っ張られる。
「ひっ!いっ、いたっ…」
瑠稀によって…。