地味子の初恋
すると、瑠唏のため息があたしに突き刺さる。
「おまえ、馬鹿?そんなビショビショなのに電車乗る気かよ…迷惑極まりないし、目立つの分かんないわけ」
瑠唏に、迷惑考えろと言われても腑に落ちないところはあるけれど、ごもっともなので口ごもってしまう。
「う…」
「がり勉女かと思ってたけど、おまえの頭は空っぽなんだな」
ハッと鼻を鳴らして、瑠唏は笑った。
瑠唏の、人を馬鹿にした顔が小さい頃と重なった。
あの時から、変わらないんだと思って急に切なくなった。
瑠唏がかけてくれたジャケットを肩から外す。