地味子の初恋
テーブルに並べられた、ご飯に箸をつける。
昨日はあれから寝てしまって、夕御飯を食べ損ねたので腹ペコだ。
食べ終え、一息したら出かける準備をする。
電車通学だから悠長にしてられないのだ。
すると、インターホンが鳴った。
こんな朝早く誰だろう?
出かけるついでだし、あたしが玄関先まで行く。
ドアを開けた瞬間悪魔を見た
…気がする。
赤髪のヤンキーが立っていた。
「な、なんで瑠稀がいるの」
瑠稀はニコッと不適な笑みを浮かべた。
「へぇ、ご挨拶じゃん」
笑顔がひきつってるのが分かる。
怒ってることに気づいた。
血の気がサーッとひいた。
まさか、迎えに来るなんて…!
「あら、お母さんが頼んだのよ。せっかくまた同じ学校になったんだから一緒に学校行った方がいいと思って」
お母さん、余計なことしないでよ!
あたしの心境なんて露知らず、お母さんは笑顔であたしたちを見送った。