トナリの無口くん


「っつか早く帰りたいんですけど。オレ早くゲームしてぇ」

小島がブツブツとなにかを言っている。

お、おいおい……

なにやってんだよ、受験生。


横を見ると、野口が窓の外を見ながら、肩を震わせている。

わ、笑ってる……



小川もそれに気がついたのか、野口の頭をぐしゃぐしゃにしながら笑った。


「なぁ〜〜に笑ってんねん、野口ぃ〜〜!!」

「べっ、別に……」

野口の笑顔が固くなる。

気づかれたとでも思ったのかな……??

誰も気づいてないよ。

特に本人は。


「秋本遅いねん!!オレからすればよかった…」

ま〜〜たグチこぼしてる、小島。


美希が隣で失笑していた。
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