トナリの無口くん


誰かがそうつぶやいた。

あたしはパッと横を見た。



「小島…」

機嫌の悪い小島は壁にもたれかかった。




「野口ってさぁ、笑わねーと思ってたし」

「そんなことないで〜〜」

小川がちょっとだけ笑う。

あまり楽しくなさそうに。




「だって野口暗いじゃんよ。友達いねぇし」




………は???


野口が………

暗い????



友達がいない???




「それによぉ、いたっていなくたってわかんねえじゃんか」

小島はグチるように言った。





「………小島」


あたしはいつの間にか小島の名前を口に出していた。



あたしには、今、小島が言ったこと、どうしても許せない。
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