トナリの無口くん
でも、きっと小川も。
嬉しかったんだと思う。
小川は八重歯を見せて笑うと、野口の頭をバシッと叩いた。
「なんやねん!!そんなんやったら最初からしぃやぁ!!」
少し笑い声混じりの小川の声。
「……別にいいだろ」
野口はそっぽを向く。
「……あの……次の人…」
「ん???」
声がしたから振り向いたら、秋本さんがいた。
ってか、まだ教育相談してたのね………
「……じゃあ、私がいく〜〜。なんか話があたしだけつかめてないし」
あまり話の流れに乗れていなかった美希が、教室に入っていった。
「……なぁ、高原」
名前を呼ばれた。
「……小島???」