トナリの無口くん


小島はさっきの事を忘れたかのように、普通に話しかけてきた。

こいつ、ニワトリかぁ……???




「あ……あのさ」

「なぁに???」



「野口って……オモロいやつだな」

そう言って、小島はひとりでへへっと笑った。




今、あたしは確かに聞いた。


小島が、野口の事を面白いと言ったことを。




なんだか、野口と小島が仲良くなるの、そう遠くない気がする。


野口がいつも笑っている姿を見れるの、そう遠くない気がする。



教育相談、このメンバーで呼ばれなかったら、きっと、なにも変わってなかったよね。

小島もきっと、野口に興味を持たなかったよね。

あたしは、今ここにいて良かったよ。


美希にはちょっと悪かったかな……???

何も知らないんだし。

先生に今グチってませんように……



小川とじゃれあっている野口。

きっと、小島とじゃれあっている野口ももうすぐ見れるんだ。



そんな風景を頭の中に描いて、おかしくなった。
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