トナリの無口くん
いきなりですか
あの教育相談からしばらく経って。
あたしはいつも通り学校へ来た。
「おはよ。美希」
「おはよ〜〜!!!」
美希はひらひらと手をふる。
あたしは自分の席に座った。
「………あれ???」
あたしは机の上に置いてあったなにかを手にとった。
「あ、それ羽瑠のシャーペンだよね??さっき床に落としてたからさ」
美希がシャーペンを指差した。
「これ、あたしのじゃないよ」
「えっ??!!!だってそのシャーペン羽瑠持ってるじゃん」
美希は目を丸くする。
こんなこと、前にもあったよね……
たしか、席替えして、間もない頃。
「……高原」
後ろを向くと、野口がいた。
「このシャーペン、野口のだよね???」
あたしはシャーペンを野口に渡した。
「ああ、ありがとな」
野口はあたしからシャーペンを受け取った。