トナリの無口くん
そんなこんなで、やっと道徳の授業は終わった。
結局、あたしの班の意見はまとまらなくって、岩城の意見がそのまんま班の意見になった。
「羽瑠〜…………お疲れ様」
美希が、疲れきったあたしに、そっと声をかけた。
「美希ぃ〜〜……もうヤダ」
あたしの言葉に、美希は苦笑い。
そりゃあ、美希にはどうしようもないって、わかってるけど……
「の〜〜〜〜ぐちっ♪♪」
横を見たら、元気のない野口と、やったらハイテンションな小川がいた。
「………んだよ」
機嫌が悪い野口。
まぁわかる気がするけど。
「うわぁ、怖いなあ〜〜なんかイヤな事でもあったんかぁ???」
「……知らねーよ」
野口の言葉に、小川は首を傾げるばかり。
あたしと小川の目があった。
「………なんかあったん???」
野口を指差す小川。
「いや〜……別にあたしは知らないけど……あえて言うなら……この班かな」
あたしがそう言うと、野口は大きなため息をついた。