トナリの無口くん


「まあ、オレほどの男となると、青春しないとやってけないんだよねっ」

小島は、なぜか誇らしげに語り出した。



野口の顔が、みるみるうちに驚きからおかしな表情へと変わっていく。



「…………!!!!!!」


野口は声も立てずに笑い出した。

いや、声が出ないほど笑っている、の方が正しいかも……




「なんだよぅ。オレが青春してるのがそんなにおかしいのかぁ???」


小島の不満げな言葉に、野口はただうなずくばかり。


失礼だろ………

でも失礼ながら、あたしもおかしいと思う。




「まあ、頑張ってくださいな」

あたしは早く教室に戻ろうとした。
野口を連れて。


これ以上野口と小島を話させておいたら、野口が死んでしまう………
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