トナリの無口くん


野口の顔から血の気が引いていく……


「…………」

野口は、小さなため息を一つつくと、『恋愛は人それぞれらしいから、いっそのこと好きにして』と言いたげな顔で、そっぽを向いてしまった。

その後も、なんだか信じられないような、いや、信じたくないような表情を見せていた。


あたしは、相沢さんについて詳細が知りたくなって、相沢さんに話しかけた。



「相沢さん、あの……」


「あっ!!!鳥さんがお空から呼んでる〜〜!!凛ちゃんもう行かなくちゃ」


…………は????


「羽瑠ルン、のぐちゃん、ばいばぁい〜〜♪♪」


ちょ、
ちょっと待ってよ〜〜!!!!


相沢さんは「フランソワ〜〜♪♪」とわけの分からない言葉を言い残して、どこかへ行ってしまった。
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