トナリの無口くん
よっしゃ!!!
初めて初めて話しかけれた!!!
でも最初が謝罪って…………
しばらく野口は黙ったままだった。
あたしは返事してくれないのかと思ったけど、そう思った瞬間に野口が口を開いた。
「なんで………謝るんですか」
「え???なんでって……………とんでもない噂だし………」
あたしがそう言うと、野口はふぅと一息ついて、また口を開いた。
「その噂はホントじゃないから………別になんとも思わないし…………………それに高原は何も悪くないですし」
野口は本に目を落とした。
野口は、自分をしっかり持ってるんだ………
だから、騒がしいクラスでも、無口でいられるんだ。
それって、ちょっと凄いかも…………