トナリの無口くん
「あたしは敬語だとイヤなの!!!自己中かも知れんけど、あたしにはタメ語使って!!!」
あたしは野口をじっと見つめた。
すると野口はあたしから目をそらした。
ここで無視かぁ???
それはないでしょ………………
「はい…………あ、うん、わかった」
えっ…………??
「高原には、タメで話すから…………」
そう言ったきり、野口はもう口を開かなかった。
横顔は、少し戸惑っているように見えた。
でも、あたしにはこれで十分だった。
野口が敬語じゃなくて、タメ語で話してくれる。
これって、一歩前進だよね???
野口に近づいた気がして、
小川に近づいた気がして、
なんだか嬉しい。