トナリの無口くん
「え…………??」
小川は聞き返す。
「野口は………ホントに気にしてないよ。あたしも……なんでかはわからなかったけど…………………小川のおかげだったんだよね」
「それ………どういう………」
小川はまだなにも理解できていないらしい。
「小川が………野口を支えてるから、野口は自分らしくいられるんだと思うんだ。そんな噂が気にならないのも、小川がいつも野口のそばにいるからじゃないの???」
あたしは思った。
人は人がいるから自分でいられるんだって。
それも、見えない絆があるんだって。
隣にはいつもいなくたって、心はいつもそばにあるんだって。