トナリの無口くん
「高原…………」
いつもは弱い所なんか見せるそぶりもない小川が、少しだけホントの自分を見せたように見えた。
「ホンマ、ありがとうな。なんか、気持ち軽なったわ」
八重歯を見せて笑った小川は、一瞬だけ見えた不安げな小川を隠した。
小川は笑ったまま、数人固まっている男子のところへ走っていった。
なんだか、あたし小川と野口を人助けしてる感覚になってきちゃった。
まあ、でも、小川に感謝されるのなら悪くないかな………???
でも、あたしには疑問があった。
なんで小川は、野口と仲がいいんだろう???
そもそもいつ知り合ったんだろう????
逆に、なんで野口は小川とは話すのだろう?????
考えれば考えるほど謎は深まるばかりだった。