トナリの無口くん
野口の目線は、あたしの持っているシャーペンに向けられていた。
「あ、これ、野口の??」
「ああ」
野口は小さく頷いた。
「ご、ごめんね!!あたしの机に置いてあったから………あたしのと同じだったし」
あたしは野口にシャーペンを手渡した。
「そういえば、同じやつ持ってたね」
…………む??
「野口、あたしがこれ持ってたの知ってた??」
「だって、授業中使ってるの見えるし……」
野口は表情ひとつ変えずに言う。
野口って、意外と人のこと見てるんだ………